アプライアンス・データ・インポートの構成

アプライアンスベースのデータ転送の実行に必要な構成タスクについて学習します。

アプライアンス転送の構成フェーズ・インジケータ

このトピックでは、アプライアンスベースのデータ・インポートの構成に関連付けられたタスクについて説明します。通常、インフラストラクチャ・エンジニア・ロールがこれらのタスクを実行します。ロールおよび職責を参照してください。

インポート・アプライアンスの開梱とネットワークへの接続

出荷ベンダーがインポート・アプライアンスを配達すると、ステータスが「配送済」に更新され、「転送アプライアンスの詳細」にアプライアンスの受領日時が表示されます。

重要

インポート・アプライアンスは、伸縮式ハンドルと車輪付きの輸送ケースで到着します。このケース装備により、アプライアンスを配置してデータをアップロードする場所に簡単に移動できます。

梱包材はすべて保管しておいてください。インポート・アプライアンスをOracleに返送する場合、アプライアンスを受け取ったときと同じ方法で梱包する必要があります。

次に、インポート・アプライアンスを開梱して、構成準備を完了するためのタスクを示します。

  1. 輸送ケースの改ざん防止用セキュリティ・タイを検査します。

    アプライアンスが輸送中に改ざんされた場合、改ざん防止用セキュリティ・タイによりそのことがわかります。

    注意

    セキュリティ・タイが破損していたり、失われている場合は、絶対にアプライアンスをネットワークに接続しないでください。すぐにサービス・リクエスト(SR)を提出してください。

  2. セキュリティ・タイを取り外し、その番号をOracleによって記録された番号と比較します。

    コンソールを使用してOracleによって記録されたセキュリティ関連付け番号を確認するには:

    1. ナビゲーション・メニューを開き、「移行と障害時リカバリ」をクリックします。「データ転送」で、「インポート」をクリックします。「転送ジョブ」ページが表示されます。

    2. 取り外したセキュリティ・タイに関連付けられた転送ジョブとインポート・アプライアンスを見つけます。

    3. 「アクション」メニュー(アクション・メニュー)「詳細の表示」の順にクリックします。

    4. 「転送アプライアンスの詳細」「送付セキュリティ関連付けID」フィールドの内容を確認して、その番号を物理タグの番号と比較します。

    CLIを使用してOracleによって記録されたセキュリティ・タイの番号を確認するには:

    インポート・アプライアンス・リクエストのステータスをモニターするには、oci dts appliance showコマンドと必要なパラメータを使用します。

    oci dts appliance show --job-id job_id --appliance-label appliance_label [OPTIONS]

    CLIコマンドのフラグおよび変数オプションの完全なリストは、コマンドライン・リファレンスを参照してください。

    例:

    oci dts appliance show --job-id ocid1.datatransferjob.oc1..exampleuniqueID --appliance-label XAKWEGKZ5T
    					
    {
      "data": {
        "appliance-delivery-tracking-number": null,
        "appliance-delivery-vendor": null,
        "appliance-return-delivery-tracking-number": null,
        "creation-time": "2020-05-20T22:08:13+00:00",
        "customer-received-time": null,
        "customer-returned-time": null,
        "customer-shipping-address": {
          "address1": "2300 Oracle Way",
          "address2": null,
          "address3": null,
          "address4": null,
          "addressee": "Example, Inc.",
          "care-of": "Robert Smith",
          "city-or-locality": "Austin",
          "country": "USA",
          "email": "rsmith@example.com",
          "phone-number": "6035550100",
          "state-or-region": "TX",
          "zipcode": "78741"
        },
        "delivery-security-tie-id": "exampleuniqueID",
        "label": "XAKWEGKZ5T",
        "lifecycle-state": "PROCESSING",
        "next-billing-time": null,
        "return-security-tie-id": "exampleuniqueID",
        "serial-number": "exampleuniqueserialnumber",
        "transfer-job-id": "ocid1.datatransferjob.oc1..exampleuniqueID",
        "upload-status-log-uri": "JAKQVAGJF/XAKWEGKZ5T/upload_summary.txt"
      }
    }

    delivery-security-tie-id属性の値を物理タグの数値と比較して、一致していることを確認します。

    注意

    物理セキュリティ・タイの番号が、Oracleによって記録された番号と一致しない場合は、絶対にアプライアンスをネットワークに接続しないでください。すぐにサービス・リクエスト(SR)を提出してください。

    ノート

    アプライアンスの開梱と接続を完了した後に、セキュリティ・タイを廃棄しないでください。Oracleにアプライアンスを戻す際にそれを含めます。セキュリティ・タイを含めないと、データ移行プロセスが遅延する可能性があります。

  3. 輸送ケースを開き、ケースに次の品目が含まれていることを確認します:

    • アプライアンス・ユニットおよび電源ケーブル(C14およびC13 to 14の2つのタイプの電源ケーブルが付属しています)

    • USB to DB-9シリアル・ケーブル

    • 返送指示書(この指示書は保管しておいてください)

    • 返送ラベル、ラベル入れ、結束タグ、ジップ・タイ

    • 返送のための改ざん防止用セキュリティ・タイ(このタイの使用により、輸送ケースがOracleに安全に返送されることが保証されます)

  4. 返送セキュリティ・タイの番号をOracleによって記録された番号と比較します。

    コンソールを使用してOracleによって記録されたセキュリティ関連付け番号を確認するには:

    1. ナビゲーション・メニューを開き、「移行と障害時リカバリ」をクリックします。「データ転送」で、「インポート」をクリックします。「転送ジョブ」ページが表示されます。

    2. 返送セキュリティ・タイに関連付けられた転送ジョブとインポート・アプライアンスを見つけます。

    3. 「アクション」メニュー(アクション・メニュー)をクリックして、「詳細の表示」をクリックします。

    4. 「転送アプライアンスの詳細」「返却セキュリティ関連付けID」フィールドの内容を確認して、その番号を物理タグの番号と比較します。

    CLIを使用してOracleによって記録されたセキュリティ・タイの番号を確認するには:

    インポート・アプライアンス・リクエストのステータスをモニターするには、oci dts appliance showコマンドと必要なパラメータを使用します。

    oci dts appliance show --job-id job_id --appliance-label appliance_label [OPTIONS]

    CLIコマンドのフラグおよび変数オプションの完全なリストは、コマンドライン・リファレンスを参照してください。

    例:

    oci dts appliance show --job-id ocid1.datatransferjob.oc1..exampleuniqueID --appliance-label XAKWEGKZ5T
    					
    {
      "data": {
        "appliance-delivery-tracking-number": null,
        "appliance-delivery-vendor": null,
        "appliance-return-delivery-tracking-number": null,
        "creation-time": "2020-05-20T22:08:13+00:00",
        "customer-received-time": null,
        "customer-returned-time": null,
        "customer-shipping-address": {
          "address1": "2300 Oracle Way",
          "address2": null,
          "address3": null,
          "address4": null,
          "addressee": "Example, Inc.",
          "care-of": "Robert Smith",
          "city-or-locality": "Austin",
          "country": "USA",
          "email": "rsmith@example.com",
          "phone-number": "6035550100",
          "state-or-region": "TX",
          "zipcode": "78741"
        },
        "delivery-security-tie-id": "exampleuniqueID",
        "label": "XAKWEGKZ5T",
        "lifecycle-state": "PROCESSING",
        "next-billing-time": null,
        "return-security-tie-id": "exampleuniqueID",
        "serial-number": "exampleuniqueserialnumber",
        "transfer-job-id": "ocid1.datatransferjob.oc1..exampleuniqueID",
        "upload-status-log-uri": "JAKQVAGJF/XAKWEGKZ5T/upload_summary.txt"
      }
    }

    return-security-tie-id属性の値を物理タグの数値と比較して、一致していることを確認します。

    注意

    返送セキュリティ・タイの番号が、Oracleによって記録された番号と一致しない場合は、サービス・リクエスト(SR)を提出してください。これらのセキュリティ・タイの番号は一致する必要があり、そうでない場合、Oracleは返却されたアプライアンスからデータをアップロードできません。

  5. インポート・アプライアンスをケースから取り出して、堅い平面上またはラック内に配置します。

    警告

    アプライアンスを輸送ケースから持ち上げてラックまたはデスクトップに配置する際は補助を受けることをお薦めします。合計出荷重量は約64lbs (29kg)で、アプライアンス重量は約38lbs (17kg)です。

  6. 10GBase-T: Standard RJ-45を使用してアプライアンスを接続します。

  7. 付属の電源コードの一方をアプライアンスに接続し、他方の端を接地された電源に接続します。

  8. アプライアンスの背面の電源スイッチを切り替えてアプライアンスをオンにします。

ターミナル・エミュレーション・ホストへのインポート・アプライアンスの接続

付属のUSB to DB-9シリアル・ケーブルを使用して、指定されたターミナル・エミュレーション・ホスト・コンピュータにインポート・アプライアンスを接続します。

ノート

場合によっては、5ft (1.5m) USB to DB9 Male Serial RS232 Adapter Cableの場合、このケーブル用のドライバを端末エミュレーションホストにダウンロードする必要があります。

ターミナル・エミュレーションの設定

アプライアンスのシリアル・コンソールを介してアプライアンスと通信できるように、アプライアンスベースの転送では、ターミナル・エミュレーションのホストを設定する必要があります。この通信には、シリアル・コンソール・ターミナル・エミュレータ・ソフトウェアのインストールが必要です。次を使用することをお薦めします:

  • PuTTY (Windowsの場合)

  • ZOC (OS Xの場合)

  • PuTTYまたはMinicom (Linuxの場合)

次のターミナル・エミュレータ・ソフトウェア設定を構成します:

  • ボー・レート: 115200

  • エミュレーション: VT102

  • ハンドシェイク: 無効/オフ

  • RTS/DTS: 無効/オフ

ノート

PuTTYでは、これらすべての設定を個別に構成できるわけではありません。ただし、「シリアル」接続タイプを選択し、「シリアル回線」のボー速度に115200を指定することで、PuTTYのデフォルト設定を構成できます。アプライアンスのターミナル・エミュレータとしてPuTTYを使用するには、この構成で十分です。

インポート・アプライアンス・ネットワーキングの構成

インポート・アプライアンスが起動すると、アプライアンスが接続されているターミナル・エミュレーション・ホストにアプライアンス・シリアル・コンソールの構成メニューが表示されます。

    Oracle Cloud Data Transfer Appliance 
      - For use with minimum dts version: dts-0.4.140
      - See "Help" for determining your dts version

1) Configure Networking
2) Show Networking
3) Reset Authentication
4) Show Authentication
5) Show Status
6) Collect Appliance Diagnostic Information
7) Generate support bundle
8) Shutdown Appliance
9) Reboot Appliance
10) Help

Select a command:
ノート

シリアル・コンソール・メニューが表示されるまで、最大5分かかる可能性があります。この時間が経過してもシリアル・コンソールの構成メニューが表示されない場合は、[Enter]を押してください。

アプライアンスでは、10-Gbpsのネットワーク・ポートで単一のアクティブ・ネットワーク・インタフェースがサポートされます。1つのインタフェースのみがケーブル接続され、アクティブな場合は、そのインタフェースが自動的に選択されます。複数のインタフェースがアクティブな場合は、使用するインタフェースを選択できます。

インポート・アプライアンス・ネットワーキングを構成するには:

  1. ターミナル・エミュレーション・ホストにアクセスし、アプライアンスのシリアル・コンソール・メニューから「ネットワーキングの構成」を選択します。

  2. プロンプトが表示されたら必要なネットワーキング情報を指定します:

    • IPアドレス: アプライアンスのIPアドレス。

    • サブネット・マスク長: サブネット・マスクの先頭1ビットの数。たとえば、サブネット・マスクが255.255.255.0の場合、長さは24です。

    • デフォルト・ゲートウェイ: ネットワーク通信用のデフォルト・ゲートウェイ。

    例:

    Configure Networking:
    ^C to cancel
    
    Configuring IP address, subnet mask length, gateway
    Example:
    IP Address : 10.0.0.2
    Subnet Mask Length : 24
    Gateway : 10.0.0.1
    
    Address: 10.0.0.1
    Subnet Mask Length: 24
    Gateway: 10.0.0.1
    
    Configuring IP address 10.0.0.1 netmask 255.255.255.0 default gateway 10.0.0.1
    Enabling enp0s3
    Now trying to restart the network
    
    Network configuration is complete
    
    New authentication material created.
    
    Client access token                   : 4iH1gw1okPJO
    Appliance certificate MD5 fingerprint : BF:C6:49:9B:25:FE:9F:64:06:7E:DF:F5:F9:E5:C6:56
    Press ENTER to return...

ネットワーク・インタフェースを構成すると、アプライアンス・ソフトウェアによって、新しいクライアント・アクセス・トークンとアプライアンスのX.509/SSL証明書が生成されます。アクセス・トークンは、制御ホストがデータ転送アプライアンスの管理サービスと通信することを許可するために使用されます。X.509/SSL証明書は、ネットワークを介したデータ転送アプライアンスの管理サービスとの通信を暗号化するために使用されます。CLIコマンドを使用してホスト・マシンの認証を初期化する場合に、ここに表示されるアクセス・トークンおよびSSL証明書のフィンガープリント値を指定します。

選択したインタフェースやネットワーク情報を変更したり、アプライアンスのシリアル・コンソール・メニューから「ネットワーキングの構成」を再度選択していつでも認証資料をリセットできます。

データ管理者への通知

このトピックのタスクが完了したら、次のインポート・アプライアンス情報をデータ管理者に送信します:

  • アプライアンスIPアドレス

  • アクセス・トークン

  • SSL証明書フィンガープリント

構成フェーズの検証

次のフェーズに進む前に、このフェーズの最後に次のコマンドライン・インタフェース(CLI)検証タスクを実行します。ここで説明する検証手順を実行すると、環境が評価され、必要な設定要件がすべて正常に完了したことが確認されます。これらの手順は、スムーズで正常なデータ転送を確保するためのトラブルシューティング・リソースとしても機能します。

oci dts verify configuredコマンドおよび必須パラメータを使用して、作成した構成フェーズ・タスクおよび構成を検証します:

oci dts verify configured --job-id job_ocid --appliance-label appliance_label --delivery-security-tie-id delivery_security_tie_id --appliance-ip appliance_ip [OPTIONS]

このCLIコマンドを実行すると、次のことが検証されます:

  • 有効な配信の改ざん防止セキュリティ・タイ

  • アプライアンスへの接続

例:

oci dts verify configured --job-id ocid1.datatransferjob.oc1..exampleuniqueID --appliance-label XAKWEGKZ5T --delivery-security-tie-id tie1 --appliance-ip 10.0.0.1
Verifying necessary requirements after 'Configuring Appliance Data Imports'...
Checking Delivery Tamper-evident Security Tie... OK
Checking Appliance Reachability... OK

失敗シナリオ

この項では、検証中に検出される可能性のある障害シナリオについて説明します。

  • 有効な配信の改ざん防止セキュリティ・タイ

    • 無効な搬送セキュリティ・タイ

      Checking Delivery Tamper-evident Security Tie... Fail
      The provided physical security tie number 'tieX' does not match the number 'tie1' logged by Oracle, do not plug the appliance into your network! Immediately file a Service Request (SR).
      
  • アプライアンスへの接続

    • アプライアンスへの接続がありません

      Checking Appliance Reachability... Fail
      Appliance is not reachable.
      ping -c 1 192.168.99.8
      PING 192.168.99.8 (192.168.99.8) 56(84) bytes of data.
      From 192.168.99.10 icmp_seq=1 Destination Host Unreachable
       
      --- 192.168.99.8 ping statistics ---
      1 packets transmitted, 0 received, +1 errors, 100% packet loss, time 0ms
       
      Please check the following:
       - IP configuration of the appliance is correct
       - There is no issue with physical connectivity
       - There is no firewall rule blocking traffic to the appliance