レプリケーションとスナップショット
レプリケーションでのファイル・ストレージ・スナップショットの使用方法について学習します。
スナップショットのタイプ
ファイル・ストレージでは、いくつかのタイプのスナップショットが使用されます。レプリケーションを使用する際にはどのタイプにも遭遇する可能性があります。これらの違い、識別方法、およびレプリケーション時の扱い方を理解しておくと役立ちます:
ユーザー作成スナップショット: ファイル・システムのポイントインタイム・ビューを保持しておく場合に、このようなスナップショットを作成します。ファイル・システムには、1つ以上のユーザー作成スナップショットを含めることができます。スナップショットの管理を参照してください。
ポリシーベースのスナップショット:スナップショット・ポリシーおよびスケジュールに従って、これらのスナップショットが自動的に作成されます。ポリシーベースのスナップショットとスケジュールを参照してください。
レプリケーション・スナップショット: レプリケーション・リソースによって自動的に作成されます。レプリケーション・スナップショットは、ソース・ファイル・システムからターゲット・ファイル・システムにデータを転送するために使用されます。レプリケーション・スナップショットでは、replication-snapshot-<replication_number>-<creation_time_UTC>
というネーミング・パターンが使用されます。レプリケーション・スナップショットは変更できません。レプリケーション・スナップショットはディザスタ・リカバリのために一度に1つだけ保持できます。
レプリケートされたスナップショット: レプリケートされたスナップショットは、ソース・ファイル・システムからターゲット・ファイル・システムにコピーされたすべてのタイプのスナップショットです。
スナップショットの識別
各スナップショットに次の識別子があります:
- スナップショットOCID: スナップショットの一意のOCID (Oracle Cloud Identifier)。
- 来歴OCID: このスナップショットのクローニング元である親ファイル・システム(ある場合)を識別するOCID (Oracle Cloud Identifier)。スナップショットがクローニングの結果でない場合、この値はスナップショットOCIDと同じです。
スナップショットOCIDと来歴OCIDの値を比較すると、スナップショットのタイプと履歴を識別できます。
- ファイル・システムにスナップショットを手動で作成すると、スナップショットのOCIDと来歴OCIDの値は同じです。
- ファイル・システムをクローニングすると、そのすべてのスナップショットもクローニングされます。スナップショットがクローニングによって作成されると、クローニングされたスナップショットのOCIDと来歴OCIDの値は異なります。来歴OCIDは、クローンの親ファイル・システムのOCIDです。
- ファイル・システムをレプリケートすると、そのすべてのスナップショットもデフォルトでレプリケートされます。スナップショットがレプリケーションによって作成されると、レプリケーション・スナップショットの来歴OCIDは元のスナップショットの来歴OCIDと同じです。
作成方法 | スナップショットOCID | 来歴OCID |
---|---|---|
手動またはスナップショット・ポリシーによる | 新しいスナップショットのOCID (Oracle Cloud Identifier) | 新しいスナップショットのOCID (Oracle Cloud Identifier) |
クローニング | 新しいスナップショットのOCID (Oracle Cloud Identifier) | 親ファイル・システムの OCID (Oracle Cloud Identifier) |
レプリケート | 新しいスナップショットのOCID (Oracle Cloud Identifier) | コピーされたスナップショットのOCID (Oracle Cloud Identifier) |
レプリケートされたスナップショット
デフォルトでは、ソース・ファイル・システムに存在するスナップショットはすべて、ポリシーベースのスナップショットを含むターゲット・ファイル・システムにレプリケートされます。ファイル・システムに多数のスナップショットがある場合、レプリケーションにかかる時間に影響する可能性があります。すべてのスナップショットをレプリケートしなくてよい場合は、ディザスタ・リカバリ・レプリケーションを設定する前に次のステップを実行できます。
たとえば、File System Aをレプリケートするが、そのスナップショットは5つのみレプリケートするとします:
- File System Aのクローン(Clone A)を作成します。
- Clone Aから、レプリケートしないスナップショットを削除します。
- エクスポートされていない新しいファイル・システム(File System B)を作成します。
- Clone AからFile System Bへのレプリケーションを作成します。スナップショットは5つしかないため、元のスナップショットをすべて保持した場合に比べてレプリケーションが高速になります。
- 最初のレプリケーション・サイクルが完了するまで待ちます。
- Clone AからFile System Bへのレプリケーションを削除します。
- File System AからFile System Bへの新しいレプリケーションを作成します。古いスナップショットはコピーされません。新しいデータ更新のみが転送されます。
- Clone Aを削除します。