DBシステムの作成の概要
この記事では、DBシステムの作成に必要な様々な設定の概要について説明します。
コンソール、APIまたはCLIを使用してDBシステムを作成すると、Oracle Databaseをサポートするようにシステムがプロビジョニングされ、指定したオプションとこの記事で後述するいくつかのデフォルト・オプションに基づいてOracle Databaseが作成されます。
必要なIAMポリシー
Oracle Cloud Infrastructureを使用するには、管理者からポリシーでセキュリティ・アクセス権が付与されている必要があります。コンソールまたは(SDK、CLIまたはその他のツールを使用した) REST APIのどれを使用しているかにかかわらず、このアクセス権が必要です。権限を持っていない、または認可されていないというメッセージが表示された場合は、持っているアクセス権のタイプと作業しているコンパートメントを管理者に確認してください。
管理者の場合: 「データベース管理者がOracle Cloudデータベース・システムを管理できるようにします」のポリシーにより、指定したグループがデータベースおよび関連データベース・リソースに対してすべてのことを実行できるようになります。
ポリシーを初めて使用する場合は、ポリシーの開始および共通ポリシーを参照してください。データベースのポリシーの記述方法の詳細は、データベース・サービスの詳細を参照してください。
前提条件
DBシステムを作成するには、次の項目が必要になります:
-
SSHでDBシステムに接続するために使用するキー・ペアの公開キー(OpenSSH形式)。読みやすく短縮した公開キーの例を次に示します。
ssh-rsa AAAAB3NzaC1yc2EAAAABJQAA....lo/gKMLVM2xzc1xJr/Hc26biw3TXWGEakrK1OQ== rsa-key-20160304
- DBシステムを起動する、正しく構成された仮想クラウド・ネットワーク(VCN)。関連するネットワーク・リソース(ゲートウェイ、ルート表、セキュリティ・リスト、DNSなど)も、必要に応じて構成する必要があります。
- DBシステムのバックアップを計画している場合や管理対象更新機能を使用する場合、サービス・ゲートウェイを使用して必要なアクセスを有効にすることをお薦めします。
- マルチノードのRAC DBシステムでは、サブネット上のイングレスとエグレスの両方に対してポート22がオープンされていて、作成したセキュリティ・ルールがステートフル(デフォルト)であることを確認します。そうしないと、DBシステムのプロビジョニングに失敗する可能性があります。
詳細は、次を参照してください:
データベースのデフォルト・オプション
コンソールおよびAPIを使用したDBシステムの作成を簡略化するために、データベースには次のデフォルト・オプションが使用されます。
- コンソールの有効化: False
- コンテナ・データベースの作成: True
- インスタンスのみ作成(スタンバイおよび移行): False
- データベース・ホームID: 新しいデータベース・ホームを作成します
- データベース言語: AMERICAN
- データベース・サイズ設定テンプレート:
odb2
- データベース・ストレージ: 自動ストレージ管理(ASM)。オプションで、プロビジョニングを高速化するために、Logical Volume Managerを使用して単一ノードのDBシステムをプロビジョニングできます。
- データベース・テリトリ: AMERICA
- 一意のデータベース名: ユーザー指定のデータベース名およびシステムが生成した接頭辞(
dbtst_phx1cs
など)。 - PDB管理名:
pdbuser
詳細は、次を参照してください:
バックアップを使用したデータベースの作成
リカバリ・サービスまたはオブジェクト・ストレージに格納されているバックアップをデータベースのソースとして使用して新しいDBシステムを作成する際には、次のオプションがあります:
- 日次自動バックアップ。自動バックアップが有効になっていて、使用可能なバックアップが存在している必要があります。自動バックアップからデータベースを作成する場合は、レベル0の週次バックアップか、最新のレベル0のバックアップ以降に作成されたレベル1の増分バックアップを選択できます。
- オンデマンド完全バックアップ。
- スタンドアロン・バックアップ。
- 最後のアーカイブREDOログ・バックアップ。自動バックアップが有効になっている必要があります。このバックアップは、最新の日次自動バックアップのデータとアーカイブREDOログのデータを結合したもので、使用可能な最新のバックアップを表します。最後のアーカイブREDOログ・バックアップの時間は、「データベース詳細」ページの「最終バックアップ時間」フィールドに表示されます。
-
ポイントインタイム・アウトオブプレース・リストア。タイムスタンプを指定すると、指定した時点までのデータを含むデータベースの新しいコピーが作成されます。タイムスタンプは、「データベース詳細」ページに表示された「最終バックアップ時間」の時刻以前である必要があります。ポイントインタイム・アウトオブプレース・リストアを実行する場合は、次の制限事項に注意してください:
- タイムスタンプはデータベースのリカバリ・ウィンドウ内にある必要があります
- タイムスタンプは、使用可能な自動バックアップのデータベース・インカネーション内で使用可能になっている必要があります
- タイムスタンプは2つの重複するデータベース・インカネーション内にあってはなりません
- 指定したタイムスタンプ以降にデータベースの構造が変更された場合、データベース作成操作は失敗します。構造の変更には、表領域の作成や削除などの操作が含まれます。
- 別のポイントインタイム・データベース・コピー操作が進行中の場合は、データベース作成操作を開始できません。
詳細は、コンソールを使用したデータベースのバックアップを参照してください。
DBシステムのカスタムIPアドレス
新しい単一ノードDBシステムを作成する場合、または既存のDBシステムをクローニングする場合は、オプションで、プロビジョニングするDBシステムのIPアドレスを定義できます。これは、開発で、同じDBシステムの作成と削除を何度も繰り返し、そのたびにDBシステムで同じIPアドレスの使用を繰り返す必要がある場合に役立ちます。
この機能は、マルチノードのRAC DBシステムを作成する場合には使用できません。
APIの使用
APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKについては、ソフトウェア開発キットとコマンドライン・インタフェースを参照してください。
DBシステム・コンポーネントを作成するには、次のAPI操作を使用します。
DBシステム:
- ListDbSystems
- GetDbSystem
- LaunchDbSystem
データベース・ホーム:
- ListDbHomes
- GetDbHome
- CreateDbHome
- DeleteDbHome
データベース:
- ListDatabases
- GetDatabase
シェイプおよびデータベース・バージョン:
- ListDbSystemShapes
- ListDbVersions
データベース・サービスのAPIの完全なリストは、データベース・サービスAPIを参照してください。