オンデマンドでのログのアップロード

管理エージェントを使用してログ・ファイルを継続的に収集せずにOracle Logging Analyticsに収集する場合は、オンデマンド・アップロードを実行できます。分析するログをアップロードするために必要な数のオンデマンド・アップロードを実行できます。

次に、オンデマンド・アップロードの機能を示します:

  • 単一の未加工のログ・ファイル、または複数のログ・ファイルを含む任意のアーカイブ・ファイル(.zip.gz.tgz.tar)をアップロードできます。アーカイブ内のファイル数は、2000未満(存在する場合はディレクトリを含む)にする必要があります。

  • 1回のアップロードの最大ファイル・サイズ(単一ファイルまたはZIPファイル)は、1 GBです。ファイルの非圧縮サイズは、10 GB未満である必要があります。

  • 簡単に参照できるように各アップロードに名前を付けることができます。名前を再利用して、同じアップロード名で異なる時点にファイルをアップロードできます。

  • リージョン内のテナンシごとに許容される一意のアップロード名の数には、10000の制限があります。

  • ログ・データとともにメタデータ・ファイルを指定することで、各ログ・レコードに追加のメタデータを添付できます。

  • アップロード構成情報および対応する処理ステータスは、90日間使用できます。

前提条件: ログ・データのオンデマンド・アップロードを開始する前に、必ず次の情報を収集してください:

  • 新しいログ・ソースのログ・ソース名(または、ログ・フォーマットに一致するOracle定義のログ・ソースを使用します)。Oracle定義ソースおよびソースの作成を参照してください。

    オンデマンド・アップロードを実行するには、ソースのタイプが「システム・イベント・メッセージ(Syslog)」「ファイル」または「Oracle Diagnostic Logs (ODL)」である必要があります。

  • ログに対するユーザー・アクセス制御を管理するためにこれらのログを格納するログ・グループのOCID。ログを格納するログ・グループの作成を参照してください。
  • オプションで、アップロードするログをマップする場合は、エンティティOCID。ログ出力リソースを表すエンティティの作成を参照してください。

オンデマンド・アップロードに必要な権限

トピック:

ユーザーによるオンデマンド・アップロードの作成、取得およびリスト操作の実行を許可

ユーザーがオンデマンド・アップロードの「作成」「取得」および「リスト」操作を実行できるようにするには、オンデマンド・アップロード・タスクの実行に必要な権限のみを選択的に付与するか、個々のリソース・タイプの権限を付与するか、より広範な集計レベルの権限を付与します。そのため、ユースケースに応じて、次に示す3つのポリシー・ステートメント・セットのいずれかを選択できます。

次のIAMポリシー・ステートメントは、オンデマンド・アップロード中にcreategetおよびlist操作のユーザー・グループに特定の権限を付与するためのものです:

allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_LOG_GROUP_UPLOAD_LOGS} in compartment <log_group_compartment>
allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_ENTITY_UPLOAD_LOGS} in compartment <entity_compartment>
allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_SOURCE_READ} in tenancy
allow group <group_name> to use loganalytics-ondemand-upload in tenancy

次のIAMポリシー・ステートメントは、オンデマンド・アップロードを使用するために、個々のリソース・タイプのレベルで権限を提供するためのものです:

allow group <group_name> to use loganalytics-ondemand-upload in tenancy
allow group <group_name> to use loganalytics-log-group in compartment <log_group_compartment>
allow group <group_name> to read loganalytics-source in tenancy
allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_ENTITY_UPLOAD_LOGS} in compartment <entity_compartment>

一方、次のIAMポリシー・ステートメントは、オンデマンド・アップロードを使用する権限をOracle Logging Analytics集約リソース・レベルで提供するためのものです:

allow group <group_name> to use loganalytics-features-family in tenancy
allow group <group_name> to use loganalytics-resources-family in tenancy/compartment

前述のすべてのポリシー・ステートメントのgroup_nameは、必要な権限を付与する必要があるユーザー・グループを参照します。

オンデマンド・アップロード削除操作の実行をユーザーに許可

ユーザーがオンデマンド・アップロードの削除操作を実行できるようにするには、オンデマンド・アップロード削除タスクの実行に必要な権限のみを選択的に付与するか、個々のリソース・タイプの権限を付与するか、より広範な集計レベルの権限を付与します。そのため、ユースケースに応じて、次に示す3つのポリシー・ステートメント・セットのいずれかを選択できます。

次のIAMポリシー・ステートメントは、削除操作のための権限をユーザー・グループに付与するためのものです:

allow group <group_name> to use loganalytics-ondemand-upload in tenancy
allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_LOG_GROUP_DELETE_LOGS} in compartment <log_group_compartment>
allow group <group_name> to {LOG_ANALYTICS_QUERY_VIEW} in tenancy
allow group <group_name> to {COMPARTMENT_QUERY} in tenancy

次のIAMポリシー・ステートメントは、オンデマンド・アップロード削除操作の個々のリソース・タイプのレベルで権限を提供するためのものです:

allow group <group_name> to use loganalytics-ondemand-upload in tenancy
allow group <group_name> to manage loganalytics-log-group in compartment <log_group_compartment>
allow group <group_name> to read loganalytics-query in tenancy
allow group <group_name> to read compartments in tenancy

次のIAMポリシー・ステートメントは、オンデマンドのアップロード削除操作のために、Oracle Logging Analytics集約リソース・レベルで権限を提供するためのものです:

allow group <group_name> to use loganalytics-features-family in tenancy
allow group <group_name> to manage loganalytics-resources-family in tenancy/compartment
allow group <group_name> to read compartments in tenancy

前述のすべてのポリシー・ステートメントのgroup_nameは、必要な権限を付与する必要があるユーザー・グループを参照します。

コンソールを使用したオンデマンド・アップロード

Oracle Logging Analyticsのサービス・コンソールで使用可能なオンデマンド・アップロード(ODU)ウィザードを使用して、ログ・ファイルをアップロードできます。

ODUウィザードは、わかりやすいユーザー・インタフェースを介してファイルをアップロードするための簡単で便利な方法です。ウィザードで指示される直感的なステップに従って、アップロードするファイルを選択し、ファイルのプロパティを設定して、アップロードの前に確認します。
  1. Oracle Logging Analyticsから「アップロード」ページにアクセスします:

    ナビゲーション・メニューを開き、「監視および管理」をクリックします。「ログ・アナリティクス」で、「管理」をクリックします。「管理の概要」ページが開きます。

    管理リソースが、左側のナビゲーション・ペインの「リソース」の下にリストされます。「アップロード」をクリックします。

  2. 「アップロード」ページで、「ファイルのアップロード」をクリックします。
    「ファイルのアップロード」ページが開きます。
  3. ファイルを選択:
    • アップロード名を入力します。これは、アップロードしたログ・ファイルのステータスをトラッキングするために使用する名前です。一連のアップロードをまとめて保持する場合は、同じアップロード名を使用して、異なる時点に複数のアップロードを実行できます。
    • ログ・グループ・コンパートメントを選択して、ログ・グループが存在するスコープを定義します。
    • ログを格納する必要があるログ・グループを選択します。

      新しいログ・グループを作成するには、コンパートメントを選択し、「ログ・グループの作成」をクリックします。ダイアログ・ボックスで、名前および説明を入力します。「作成」をクリックします

    • 「ファイルの選択」ボタンをクリックし、アップロードするログ・ファイルを選択します。ziptartgzなどのファイル・タイプおよびRAWテキスト・ファイルは、アップロード用に受け入れられます。1回のアップロードで複数のファイルを選択できます。

    アップロード用に選択したファイルのサマリーが表示されます。個々のファイルの最大サイズは100 MBです。アップロードごとに最大25個の個別ファイルをアップロードできます。コンテンツが何も含まれないファイルは有効ではなく、複数のファイルが選択されている場合にアップロード対象として考慮されません。

    「次」をクリックします。

  4. プロパティの設定: このページには、最初のステップで選択したファイルのリストが表示されます。各ファイルの処理に使用するソースを指定する必要があります。オプションで、他の追加プロパティを指定できます。すべてのファイルのプロパティを設定するには、ヘッダーのチェック・ボックスを選択し、「プロパティの設定」をクリックします。特定のファイルのプロパティを設定するには、ファイル名の横にある「アクション」メニュー・アイコン「アクション」メニュー・アイコンをクリックし、「プロパティの設定」をクリックします。「プロパティの設定」ダイアログ・ボックスが開きます。
    1. 「ソース」ドロップダウン・メニューから、ログ・ファイルの処理に使用するソースを選択します。

      オンデマンド・アップロードを実行するには、ソースのタイプが「システム・イベント・メッセージ(Syslog)」「ファイル」または「Oracle Diagnostic Logs (ODL)」である必要があります。

    2. オプションで、アップロードするこれらのファイルをエンティティにマップする場合は、「エンティティ・コンパートメント」ドロップダウン・メニューから、エンティティが存在するコンパートメントを選択します。
    3. オプションで、エンティティを指定できます。選択したエンティティ・コンパートメントと、選択したソースで定義されているエンティティ・タイプに基づいて、「エンティティ」ドロップダウン・メニューが移入されます。エンティティを選択します。
    4. オプションで、適切な処理に必要な情報がログ・エントリで使用できない場合、拡張プロパティを指定する必要があります。「拡張オプションの表示」セクションを展開します。ドロップダウン・メニューから、パラメータ「ログ・タイムゾーン」「文字エンコーディング」「日付書式」および「ログ・コンテンツの年」の値を選択します。「変更の保存」をクリックします。
      • ログ・タイムゾーン: ログ・エントリの処理に使用するタイムゾーン情報。デフォルトでは、ログ・エントリのタイムゾーン情報が処理に使用されます。ログ・エントリの情報を使用できない場合、メニューから選択した値が考慮されます。このメニューの値、またはログ・エントリの値を直接使用できない場合、エンティティのタイムゾーンが考慮されます。タイムゾーンの情報を使用できない場合、考慮されるデフォルト値はUTCです。
      • 文字エンコーディング: アップロードされるログ・ファイルの文字エンコーディング。Oracle Logging Analyticsは文字エンコーディングの自動検出を試行しますが、特定のユース・ケースでは、この値をオーバーライドする必要があります。
      • 日付書式: ログ・ファイルで使用可能な日付情報のフォーマット。{TIMEDATE}マクロを使用する場合は、このパラメータを使用して、指定したログ・エントリの日付書式を識別する際のあいまいさを除去します。たとえば、日付が12/10で、10月12日または12月10日と解釈可能な場合、DAY_MONTHまたはMONTH_DAYを使用してあいまいさを除去できます。日付が12/10/08の場合、DAY_MONTH_YEARMONTH_DAY_YEARまたはYEAR_MONTH_DAYを使用できます。

        パーサーが時間コンポーネントの抽出を使用する場合、あいまいさがないため、日付書式の指定をスキップできます。

      • ログ・コンテンツの年: ログ・エントリのタイムスタンプに年情報がない場合にログ・エントリの処理に使用する年情報。

      表の行を展開して、指定したプロパティを表示します。必要に応じて、選択したファイルをアップロード・リストから削除できます。

      アップロードに進む前に、必ず各アップロード・ファイルのソースを選択してください。

    5. 「次」をクリックします。
  5. 確認: アップロード用に選択したファイルのプロパティを確認します。プロパティを確認してアップロードを開始するには、「アップロード」をクリックします。

    Oracle Logging Analyticsは、ファイルの索引付けと処理を行います。アップロードが完了したら、「閉じる」をクリックしてアップロード・リスト・ページに移動します。

    ファイルのアップロードに失敗した場合は、ファイル名の横にある「再試行」アイコンをクリックして、ファイルを再度アップロードします。アップロードが成功したら、「閉じる」をクリックしてアップロード・リスト・ページに移動します。

「アップロード」ページで、アップロードの名前をクリックして「アップロード詳細」ページにアクセスします。このページには、アップロードのサマリーとそれに関連する警告が表示されます。

CLIを使用したオンデマンド・アップロード

OCI CLIを使用して、コマンドライン・インタフェースを介してログ・ファイルをOracle Logging Analyticsにアップロードできます。この単純なインタフェースにより、CLIをアプリケーションに統合してアップロードを自動化できます。

CLIの使用の詳細は、コマンドライン・インタフェース(CLI)を参照してください。

CLIコマンドで使用できるフラグおよびオプションの完全なリストは、コマンドライン・リファレンス: ログ・アナリティクス - アップロードを参照してください。

次のCLIコマンドを実行して、loganalytics-ondemand-uploadを管理します:

  • ログ・ファイルのアップロード:

    oci log-analytics upload upload-log-file --namespace-name <namespace_name> --log-source-name <log-source-name> --upload-name <upload-name> --filename <file_name> --opc-meta-loggrpid <opc-meta-loggrpid> --file <path_to_log_file>

    前述のコマンドのサンプル・レスポンス:

    {
      "data": {
      "name": null,   
      “reference” : “32817130200562135",
      “timeCreated” : “2020-06-01T12:00:00.000Z”,
      "time-earliest-log-entry": null,
      "time-latest-log-entry": null,
      "time-updated": null,
      "warnings-count": null
      }
    }
  • アップロードの削除:

    oci log-analytics upload delete --namespace-name <namespace_name> --upload-reference <upload-reference>
  • アップロードのリスト:

    oci log-analytics upload list --namespace-name <namespace_name>
  • アップロードの取得:

    oci log-analytics upload get --namespace-name <namespace_name> --upload-reference <upload-reference>
  • アップロード・ファイルのリスト:

    oci log-analytics upload list-upload-files --namespace-name <namespace_name> --upload-reference <upload-reference>
  • アップロード・ファイルの削除:

    oci log-analytics upload delete-upload-file --namespace-name <namespace_name> --upload-reference <upload-reference> --file-reference <file-reference>

コンソールを使用したオンデマンド・アップロードの検証

ログ・データのオンデマンド・アップロードが完了したら、アップロードのサマリーを表示し、ファイル・ステータスを確認できます。

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「監視および管理」をクリックします。「ログ・アナリティクス」で、「管理」をクリックします。「管理の概要」ページが開きます。
  2. 左側のパネルの「リソース」で、「アップロード」をクリックします。最新のオンデマンド・アップロードが表示されます。
  3. アップロードの処理済データを表示するには、アップロードに対応するメニュー・アイコンメニュー・アイコンをクリックし、「ログ・エクスプローラで表示」を選択します。
  4. アップロードのファイルのリストとその処理ステータスを表示するには、アップロード名をクリックします。

コンソールを使用したアップロード済ログ・ファイルの削除

ログ・データのオンデマンド・アップロードが完了したら、アップロードのサマリーを表示し、ファイル・ステータスを確認できます。ファイルのアップロードが失敗した場合、またはこのアップロードのファイルを保持する必要がなくなった場合は、それらを削除できます。

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「監視および管理」をクリックします。「ログ・アナリティクス」で、「管理」をクリックします。「管理の概要」ページが開きます。
  2. 左側のパネルの「リソース」で、「アップロード」をクリックします。最新のオンデマンド・アップロードが表示されます。
  3. オンデマンド・アップロードを削除するには、アップロードに対応するメニュー・アイコンメニュー・アイコンをクリックし、「削除」を選択します。
  4. オンデマンド・アップロードのファイルを削除するには、アップロード名をクリックして「アップロード詳細」ページに移動します。

    指定したアップロードに含まれるファイルのリストが表示されます。ファイル名の横で各ファイルのステータスを確認できます。

    ファイルを削除するには、ファイル名の横にあるメニュー・アイコンメニュー・アイコンをクリックし、「削除」を選択します。

アップロードへのメタデータの追加

メタデータjsonファイルを作成し、uploads_metadata.jsonという名前を付けます。次に、メタデータ・ファイルの例を示します:

{
    "field1":"value1",
    "field2":"value2"
}

前述のファイルで、field1およびfield2は、Oracle定義フィールドまたはユーザー定義フィールドです。フィールドの作成を参照してください。これらのすべてのフィールドと指定された値が、解析された各ログ・レコードに追加されます。

サポートされるいずれかのファイル形式による実際のログ・データとuploads_metadata.jsonファイルを含むzipアーカイブ・ファイルを作成します。uploads_metadata.jsonファイルは、zipの最上位階層に配置する必要があります。